第16話 『キャリアゴルファーへ興奮と喜びを!』LSドライバー開発編④

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PRGRのクラブにまつわる過去や、新製品開発に奮闘するスタッフの現在、そして新しいクラブを世の中に生み出す未来を紹介していくノンフィクション、PRGRクラブ開発物語、通称ギアスト!

ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーに向け、遂にルールギリギリの高初速と高打ち出し・低スピンの理想弾道で最大飛距離を出せるドライバーを開発した開発チーム。

目標性能を達成することはできましたが、これで完成ではありません。ここからまだまだ超えなければいけない課題はいくつもあるのです。

 

キャリアゴルファーの要望

重心を下げながら重心を深くするという難しい課題を達成した、ソールの下にウェイトをつける”地下室ソール”という機能を搭載した試作ヘッド。

アマチュアゴルファーにラウンドで試してもらうと、イメージ以上の高弾道に驚くものの、キャリーが伸びて今までつかまっていたバンカーや木を越え、トータル飛距離もしっかり伸びました。

あらためてゴルフ場で重要なのはキャリーであることを実感してもらい、大絶賛!

ただし一方でこんな声も。

 

アマチュアゴルファーAさん 『アドレスするとヘッドがコロコロ動いて構えづらいね。』

アマチュアゴルファーBさん 『もうちょと音がなあ。。。』

アマチュアゴルファーCさん 『シャフトがしなりすぎるよ。もっとしっかり振りたい!』

 

経験豊富なゴルファーの皆さんは、そのキャリアが長いだけにゴルフクラブに対するこだわりも人一倍あります。そんなゴルファーを敢えて”キャリア(経験豊富な)ゴルファー”と呼ばせていただきますが、キャリアゴルファーのこだわりのひとつが”構えやすさ”です。

キャリアゴルファーのこだわり① 顔

ソールの下にウエイトを貼り付ける”地下室ソール”よって、深く、低い重心ポジションの実現に成功しましたが、そのウェイト部分の出っ張りがアドレスした際の不安定さ、構えづらさを生じさせていました。

ちなみに今を遡ること20年以上前。当時人気を得ていた赤・黒・銀チタンシリーズからモデルチェンジしたSPEED TITANドライバー(2000年)は、ソールの座りの悪さをゴルファーから酷評され、思うような販売数をあげることができませんでした。

それ以来、クラブ開発において”アドレスでの構えやすさ”には細心の注意を払い、こだわってきた部分でもあります。

 

デザイナー 『よし、構えやすさはソール形状を工夫して何とかするよ。任せてくれ。』

 

INTEST(タラコ)の頃からPRGRのクラブデザインに携わってきた、キャリアゴルファーを知り尽くしたデザイナーが、キャリアゴルファーを納得させるソール形状に取り掛かります。

第6話 『ロングアイアンへの挑戦。タラコの誕生。』

 

キャリアゴルファーのこだわり② 音

さらに、キャリアゴルファーにとってもうひとつ大事なこだわりである打球音。ナイスショットは”快音”があってこそ生まれるものですので、とても需要なファクターです。

神奈川県平塚市 横浜ゴム平塚製造所

広大な敷地内にあるPRGRの研究棟。開発スタッフは、ここで快音を生むためのCAD設計をおこなっています。

※ヘッド内部に快音を生み出すためのリブを設計

サンプルヘッドを持って建屋の中の”ある場所”に向かうスタッフ。

ここは、多目的試打室です。

クラブやボールの試打はもちろん、自社開発のマルチスピード測定器の動作テストために野球やサッカーなども行える広い屋内スペースです。

ここにはショットロボットとともに、タイヤのロードノイズテスト等でも使用されている高性能の人型マイクが設置されてあり、

サンプルクラブをショットしてその打球音を解析し、人間にとって心地よい打球音の開発と再現に取り組みます。

打球音に対するこだわりも強いキャリアゴルファーのため、高く伸びる弾道をイメージさせる様な『澄んだ高音で伸びのある打球音』を目指し、テストを繰り返します。

こうして、不確定要素が多く、狙った成果を出しづらい”音”という課題にも、ゴールを目指して挑み続けます。

 

キャリアゴルファーのこだわり③ シャフト

さらにゴルフクラブとして完成させるためにはシャフトの性能も不可欠。シャフトメーカーと共同でサンプルヘッドに最適なマッチングのシャフト開発を進めます。ヘッドスピードが落ちてきたキャリアゴルファーのために、軽量化を図りながらも振り応えがあり、左へのミスを抑えるシャフトを設計。

 

幾多の試作シャフトをテストし、ヘッドとのマッチングを考慮し目標性能が得られるまでテストを続けます。

 

キャリアゴルファーのこだわり④ 振り心地

キャリアゴルファーにとって、クラブとしてのトータルバランス、振り心地も大切です。重過ぎると気持ちよく振り切れないし、ヘッドの重心位置や慣性モーメントなども振りやすさに大きく影響を及ぼします。クラブを重くして、ヘッドの慣性モーメントを高めれば安定感や直進性は増すかもしれませんが、気持ちよく振り切ることができません。

開発チームはキャリアゴルファーの求める性能に近づけるため、細かい調整を続けます。

 

キャリアゴルファーにLaunch&Spinを

こうして出来上がった最終サンプルを、キャリアゴルファーに試打してもらうと。

パキィィィーーン

 

アマチュアゴルファーAさん 『おい!いいよコレ。気持ち良いっ!!』

 

キャリアゴルファーの感嘆の声と心地良い打球音とともに、ボールはいつもならつかまる木を、キャリーで越えていきました。

 

懸念されていた、深くて低い重心を達成するための”地下室ソール”によるアドレス時の座りの悪さは、ソールのデザイン修正を重ねて見事に改良。

打球音も伸びのある快音を達成。RSドライバーのようにカーボン部分をクラウンにせず、ヘッド全体をチタン素材にした理由はここにもあります。

※打球音(振動)解析(CGによるイメージ)

シャフトもキャリアゴルファーの満足いくものに。しっかり感を得ながら気持ちよく振り切れ、ヘッドスピードを加速させるシャフトです。

※コスメデザインを施す前の試作シャフト

さあ、キャリアゴルファーの太鼓判をいただきました。製品化にはあと一息です。

開発スタッフは耐久室に向かい、

ヘッドにボールを何万球もぶつけ続ける耐久テストを24時間体制でおこないます、

 

そして、

企画開始から数年を経て、ようやくキャリアゴルファーの飛距離アップをLaunch(高打ち出し)とSpin(低スピン)で達成させるドライバーが遂に完成しました。

発表は2021年5月31日。キャリアゴルファーの皆さま、もう少々おまちください。

 

つづく

 

*記事中の写真は一部イメージです

コメント

  1. カズさん より:

    待ち遠しいですね。

    1. prgr より:

      カズさんさん
      コメントありがとうございます!数年の開発を経て、ようやく来週お披露目です!が、それまで待てないようでしたら、PRGR直営店かPRGR試打会で今週末、こっそり確認できますので(^_^)

  2. 畔さん より:

    楽しみなクラブが、出来た様で、早く見たいですねー。

    1. prgr より:

      畔さんさん
      コメントありがとうございます!わくわくするようなクラブができました!5月31日に発表いたしますので、もう少々お待ちくださいませ(^_^)

  3. プロギアオタク より:

    やっと週末!
    今週は激務のためか長かった…
    なんだか良さげですね〜興味津々。
    なんせ、ブ○○○○○派だったわたしが新車にアイスガード買いましたもん。
    プロギア。すっかりファンです。

    1. prgr より:

      プロギアオタクさん
      コメントありがとうございます!激務お疲れ様でございます。お仕事が忙しければ忙しいほど、週末の楽しみは倍増しますよね!お時間ありましたら週末のPRGR試打会でぜひ発表前のクラブを試してみてください!そしてブ○○○○○○からYOKOHAMAへの履き替えありがとうございます~(^_^)

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