2017年10月30日(月)ザ・ロイヤル ゴルフクラブ
プロ/研修生部門は今年5月から実施している4回の予選大会を通じて獲得したポイント上位者、アマチュアのシングルスとダルブルス部門は予選各大会の上位者のみが出場できるPRGR RS CUP 決勝大会。プロ37名、マチュア37名、そしてダブルス19組が出場し、10月30日(月)に開催されました。舞台は世界基準のコースとして話題のザ・ロイヤル ゴルフクラブ。今年の3月にオープンしたばかりですが、プロトーナメントも開催される戦略性に富んだチャンピオンコースです。
台風22号の影響で数日前まで開催が危ぶまれましたが、予想よりも早めに通過。さらにゴルフ場の方々が総出で早朝よりコース整備を行っていただいたため、予定どおり開催ができました。ただ、1日を通じて強い風が吹き、勝負は我慢比べの展開に。前半の9ホールを終えてプロのトップは2オーバーと、予選大会も通じてRS CUP史上で最も厳しい戦いとなりました。
プロ/研修生部門は、前半の9ホールを終えて2オーバーがトップという厳しい展開。7,736ヤード(PAR72)と距離も長く、時に風速15メートルの風が吹く厳しいコンディションに苦戦していました。その状況の中、前半の9ホールでダブルボギーなどもあり3オーバーとしながらも、後半の9ホールでパープレーの佐久間秀也選手が3オーバーの「75」で優勝。賞金80万円を手にしました。
シングルス部門は、前半9ホールを終えてトップは3オーバー。プロゴルファーが苦戦している中、善戦していましたが18ホールを終えての70台はいませんでした。結局、勝又正浩選手と小野寺清貴選手が8オーバーの「80」で首位タイに。カウントバックで勝又正浩選手が優勝の栄冠を手にしました。
ダブルス部門では、厳しいコンディションをものともせず、素晴らしいスコアが飛び出しました。優勝したのは10アンダーの「62」でプレーした福田凪砂選手と島野璃央選手の学生男女ペア。2位に6打差をつけて圧勝しました。
シングルス部門とダブルス部門の3位までの選手(ペア)には、平塚哲二プロ、矢野東プロ、小平智プロ、原江里菜プロ、森田理香子プロ、藤本麻子プロ、辻梨恵プロが参加予定のTEAM PRGR契約選手とのスペシャルラウンドへの出場権が与えられました。
「正直、調子は良くないんですけど、この風でどのようになるか?我慢できるかがポイントですね」と話してくれたのは遠藤彰選手。一昨年の決勝大会の優勝者です。本人の口では不調といいながらも、先日行われた来年のツアーの出場権を決めるサードクォリファイングトーナメントでは、最終日に6アンダーを出して突破。今年の男子メジャー日本ゴルフツアー選手権でも初日にトップに立つなど、PRGR RSカップの出場プロの中でも強者の一人です。そんな試合巧者の遠藤彰選手ですがこの日は、強い風と長いコースに苦戦。上位に入ることはありませんでした。
アウトの最終組でスタートしたのは予選大会を通じたポイントランクで1位の芳賀洋平選手。「チャレンジツアーでプレーしましたが、ここは難しい上に今日は距離が長いので難しいと思います。しくしくとやるしかない」と語ってスタートしました。前半の9ホールでは3オーバーとトップと1打差で折り返しましたが、吹き続ける風に後半はスコアを大きく崩す展開。芳賀洋平選手にとっては悔しい結果となりました。
PRGR RSカップの強豪プロが苦戦する中、優勝を果たしたのは朝一番の組でスタートした佐久間秀也選手でした。前半の9ホールをトップと1打差の3オーバーで折り返すと後半は我慢のゴルフでパープレー。「このスコアで、優勝はないでしょう」とホールアウト直後は語っていましたが、後半もスコアをさらに落とすプロが続出。終わってみれば3オーバーの「75」が優勝スコアになっていました。予選大会も含めプロ/研修生部門で優勝スコアがオーバーパーになったのはPRGR RSカップ史上で初めてです。
トータル | OUT | IN | ||
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1位 | 佐久間 秀也 | 75 | 39 | 36 |
2位 | 篠 優希 | 76 | 38 | 38 |
3位 | 伊藤 誠道 | 76 | 36 | 40 |
※スコアがタイの場合は18番からのカウントバックにより順位を確定
「前半はダブルボギーもあり3オーバーだったのですが、後半はパープレーができて、優勝は無理だと思っていましたが上位には入れると思っていました。午後は風だけでなく、スパイクマークも目立ってきて、相当気をつかわなくてはならなくなりかなり難しくなっていたので。そんな中でもパットの前に同伴競技者が同じようなラインで打ってくれたりと、流れが良かったことも勝因だと思います。
実は先週の金曜日に終了したサードクォリファイングトーナメントで落ちてしまい、メンタル的に落ちていたので、この優勝は本当に嬉しいです。良いきっかけにしたいと思います。
PRGR RSカップはプロゴルファーと一緒に試合ができると参加者の皆さまも喜んでくださると思いますし、我々プロにしても試合が増えるので本当にありがたいですね。しかも今回のような戦略的なトーナメントコースで実施していただけるので鍛えられますね。16番は705ヤードもありましたが、ティーショットでラフに入れてしまった影響もあり、3打目が260ヤードも残ってしまいました(笑)
43歳になりゴルフ人生の中で何度も失敗をしているのですが、やっぱりゴルフは大好きですから止めずに続けてきました。ただ、モチベーションを維持するのは大変なのですが、今回の優勝は「また頑張ろう!」と思うすごく良いきっかけになりそうです。ゴルフはシニア(50歳以上)もありますし、シニアで充実したプロ生活を送っている先輩プロもたくさんいます。僕もいつかは、シニアの舞台でも活躍したいですね」
先月の第4回予選大会で優勝した河井泰夫選手。スタート前にお会いすると、前回と少し変わったファッションになっていました。この試合に備えて用意したというPRGRのバイザーについて尋ねると「ゲン担ぎです!」と一言。「プロとの出会いがゴルフ人生を素晴らしくしてくれた」と前回語ってくれた河井泰夫選手。本日のラウンドするプロについても予習済みだそうです。今日の同組の一人は今年の日本ゴルフツアー選手権で初日トップにたった遠藤彰プロ。スタート前から河井泰夫選手のワクワク感が伝わってきました。
3年目となるPRGR RS CUP。年によってダブルスとシングルスの両方に出ている方も少なくありません。大学生の大石優選手は、3年前はダルブスで参加。見事決勝大会で3位に入り、プロギア契約プロとのスペシャルラウンドにも参加しました。昨年はシングルで参加。「確か11位だった」と惜しくも予選敗退。今年もシングルで参加し決勝まで進みました。「ガツガツ行かずに、自然にやって結果がついてくれば」とスタート。結果は惜しくも4位と3位までに与えらえるスペシャルラウンドの出場権は逃しましたが見事な成績を収めました。
一昨年の決勝で優勝し、昨年は2位と、ダブルス部門で見事な成績を納めてきたのは勝又正浩選手も、ダブルスからシングルスに移行して参加した一人。「シングルの楽しさはプレッシャーが大きいことですね。今日は風も強いので、1打でも少なく上がるように心がけていきたい」と語ってスタートしていきました。前半の9ホールは4オーバー。本人にとって納得のいくスコアではありませんが、強い風でスコアが伸び悩んでおりトップと1打差で折り返します。そして、後半も前半と同じく4オーバーの我慢のゴルフを展開。通算8オーバーの「80」でトップタイとなりカウントバックで優勝しました。スタート前に語った一打を大切にするゴルフで、ダブルスとシングルスの両部門制覇を達成しました。
トータル | OUT | IN | ||
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1位 | 勝又 正浩 | 80 | 40 | 40 |
2位 | 小野寺 清貴 | 80 | 41 | 39 |
3位 | 佐藤 卓郎 | 81 | 40 | 41 |
4位 | 大石 優 | 83 | 42 | 41 |
5位 | 菅原 慎一 | 84 | 42 | 42 |
6位 | 加治屋 龍之介 | 85 | 41 | 44 |
7位 | 染谷 健市 | 85 | 45 | 40 |
8位 | 下條 勲 | 87 | 44 | 43 |
9位 | 江坂 将一 | 87 | 41 | 46 |
10位 | 田嶋 久敬 | 87 | 44 | 43 |
「初めてのコースですが、レイアウトもコンディションも素晴らしかったです。それからこの地形ですと日常的に風が吹くコースだと思います。それにしても今日の風は、最近経験したことのない強さでした。フォローとアゲインストだったら番手は4番手くらい違ったのではないでしょうか?
今日はボギーでも仕方ないと思ってラウンドしましたが、ダブルボギーが3回あったので、それがつらかったです。ミスショットをすると風が強いので持っていかれてしまい、怪我が大きくなってしまうんですね。ただ、ダブルボギーの後でも、ここからはミスをしないようにしようと思いながらプレーをしました。
ゴルフはゲームとしての面白さと、スポーツとしての面白さ2つがあると思います。ダブルスはゲーム性が高くて、一か八かを狙っていく場面もあります。一方でシングルスは、常に後のショットのことも考えなければいけないですし、ダブルスのように助けてくれる人がいないので、ものすごくシビアになります。シングルスはまさにスポーツだと感じましたし、スポーツとしてのゴルフの魅力も堪能できました。
今年もスペシャルラウンドに参加できることになりました。憧れのプレーヤーと一緒に過ごすという夢のような時間を楽しみたいと思います」。
男女のペアが4回とも予選大会を制した今年の戦い。第1回と第2回のチャンピオンで昨年の決勝大会覇者である船越秀人選手、君島実幸選手にスタート前話しを聞くと、「初めてのコースですがかなり難しいと聞いていますし、今日は強い風が吹いているのでスコアはそんなに伸びないと思っています。アプローチとパターでパーを拾っていくような我慢のゴルフができれば」と語ってスタート。風が強く吹く厳しいコンディションの中、4アンダーの「68」でホールアウトし2位に。見事昨年に続きスペシャルラウンドの出場権を獲得しました。
スペシャルラウンドでプロギア契約プロとまわるために、予選大会に続き決勝大会にも関西から出場してくれたのは、近畿大学ゴルフ部の福田凪砂選手と島野璃央選手のペア。2人ともプロを目指していて、島野璃央選手はアマチュアですが先月のプロツアーに出場しています。スペシャルラウンド出場が目標ですかと尋ねると、「いや、優勝です!」ときっぱり。このスーパーコンビも風の強さの影響を考え、「50台を目指していましたが、これだけ強い風が吹いているのでしっかりスコアをつくっていきたい」とのことでした。途中ラウンドを見ましたが、風をしっかり読みピンに距離を合わせてくるさすがのゴルフを展開。前半の9ホールを3アンダーで折り返すと後半に驚異的な強さを発揮してバーディを量産します。結局後半は「29」と7つスコアを伸ばし10アンダーの「62」でホールアウト。2位に6打差をつけ圧勝しました。
なお、3位争いは接戦になりました。3アンダーの「69」で3位タイに4チームが並びましたが、カウントバックで野代雅樹選手と名取陽理浩選手のペアがプロギア契約プロとラウンドできるスペシャルラウンドの出場権が獲得しました。
トータル | OUT | IN | ||
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1位 | 福田 凪砂 島野 璃央 | 62 | 33 | 29 |
2位 | 船越 秀人 君島 実幸 | 68 | 34 | 34 |
3位 | 野代 雅樹 名取 陽理浩 | 69 | 35 | 34 |
4位 | 森 光弘 臼井 将男 | 69 | 35 | 34 |
5位 | 猪田 健人 守山 智雄 | 69 | 33 | 36 |
「前半は風が強すぎて、全然ピンに寄りませんでした。後半は風が止んできたので、ショットが良くなり、チャンスでもパットが入って20台が出ました。2人とも池に入ったホールなどもあったのですが、そこはパーで切り抜けるなどピンチも凌ぐことができました。目標だったプロギア契約プロとのラウンドが今から楽しみです。」
福田凪砂選手
「スペシャルラウンドは全員楽しみですが、特に同世代の辻梨恵プロが楽しみです。試合でのスイングを見ていると、ダウンスイングで良いラインから下りてきますが、どうしてそんなに綺麗に打てるのかを聞いてみたいです。それからともかく、たくさん学びたいですね。ゴルフ以外も含めた1週間のスケジュール、年間を通して戦うためのトレーニング方法など。将来の自分の参考にさせていただきたいです。」
島野璃央選手
「スペシャルラウンドでは、特に小平智プロと回りたいです。ショットメーカーですけど、ゴルフの組み立て方、プレーの進め方、そして普段どういうことを考えてゴルフしているのかなどを聞きたいと思います。目標としているプロが小平プロなので、いつか小平プロのようなプレーができたら良いなと思っています。また、高校の先輩の藤本麻子プロともまわってみたいですし、ショットメーカーの平塚哲二さんからもいろいろと学びたいです」
決勝大会では表彰式が実施されました。青山薫プロの挨拶では、「厳しいコンディションでもプロはゴルフが仕事。上にいくためには、文句など言わずに自然と戦え」と出場したプロゴルファーを叱咤激励。さらに「ゴルフの発展にはプロゴルファーが重要。是非、この大会の魅力も伝えていって欲しい」との話がありました。
アマチュアは各部門の5位までに賞品、プロは25位までの選手に総額400万円の賞金が贈られました。また、アマチュアは各部門の3位までに、平塚哲二プロ、矢野東プロ、小平智プロ、原江里菜プロ、森田理香子プロ、藤本麻子プロ、辻梨恵プロが参加予定のTEAM PRGR契約選手とのスペシャルラウンドへの出場権が与えられました。