有識者に聞いた。あなたの、あなただけのドライバーえらび
振りやすさ、振り切りやすさが
ドライバーえらびのポイント。
ゴルフライター / クラフトマン 小倉勇人
ゴルフライター、クラフトマン、クラブフィッターと、数々の顔を持つ小倉氏。”ギアオタク“と呼ばれる同氏の自分自身のドライバーに対するこだわりを語っていただいた。
Q. あなたが選ぶドライバーの飛ばし方は？
（小倉）もともとメインで使っていたドライバーが４５インチなので、あまり長いクラブは選びません。セットで振り心地を揃えたいので、ドライバーだけ特別な振り方をするのが嫌なんです。ドライバーだけ違う振り方をしようとすると気を使うし、ストレスになりますしね。自分の飛ばしの理想は、ＬＳドライバーのようにややスピンを抑えた高弾道です。自分自身が気持ちよく振れる範囲のなかで、安定してＭＡＸの飛距離を出したいですね。弾道はＬＳで長さはｅｇｇ４４のような、ふたつのドライバーのちょうど中間みたいな感じで飛ばしていきたいです。
いまは３００ｃｃのミニドライバーを４４．２５インチの長さで組んで使っています。これくらいのヘッドサイズ、長さだと振りやすくてセットの中でも違和感が無いですね。重心が深すぎないので結構強い球で飛ばせます。しっかり振り切って飛ばすというのが私の飛ばし方です。でも、飛ばしはロマンですから一発の飛びを求める。というのも全然アリだと思います。ゴルファーそれぞれの目的、志向があるので、それを我々のようなクラフトマンやフィッターに相談いただければ、最適な飛ばし方を実現するクラブを提案できると思いますよ。
Q. あなたがドライバー選びで重要視するものは？
（小倉）一番は扱いやすさ、振りやすさです。ドライバーだけ特別なスイングをしていると他のショットにも影響が出るので、他のクラブとのつながりを大事にして選んでいます。あとは弾道と形状が一致するものですね。もちろん、ウェイトなどでの調整機能があるクラブはそれで弾道を調節するという手もあるのですが、自分自身はニュートラルなスイングをした時に飛んでいく球筋とヘッド形状に違和感が無いものが好みです。オープンフェースでも捕まるとか、フェースが被っているのに左に行かない。というようなクラブはどっちに飛んでいくかわからなくて怖くて苦手です。
ライターとしてはそのクラブの性能をわかりやすく不特定多数の方に伝える使命があるのですが、一方クラブフィッターとしては、ひとりのお客様のために、そのお客様が求めているモノ、コトを十分把握して最適なクラブをご提案して喜んでいただくのが使命となります。現場（ショップ）でお客様対応してゴルファーの生の声を聞けると言うのは貴重な経験ですので、ライター業にも活きていると思います。
Q. あなたの記憶に残るＰＲＧＲクラブは？
（小倉）一番記憶に残っているのは、高校生の頃のＺＯＯＭｉですね！ツアーで話題になった憧れのクラブだったので、何とか手に入れて使ってました。アイアン型ユーティリティーというのをゴルフ界に根付かせた一本ですよね。距離も出るし楽に上がるし、芯外すとめっちゃ痛かったけど忘れられないクラブです。
僕は体も小さいし、非力だったので何とか道具に頼って結果を出そうとしていたんですが、それがギア好きになったきっかけだと思います。ロングアイアンなんて振れないし球も上がらないから、ＺＯＯＭｉはまさに自分にとって救世主でした。今のｅｇｇもそうですが、ＰＲＧＲはアマチュアゴルファーのためにチャレンジングなクラブ開発をするメーカーという印象があります。
あとは、シルバーブレードパター（２００７年）のセンターシャフトですね。社会人になってゴルフの雑誌社に勤めていた頃、トーナメント会場でプロギアのプロ担当の人がこのパターを抱えているのを見つけた何人かのプロが、その後を追っ駆けて行くのを見ました（笑）。当時ツアーで爆発的な人気となり、在庫も無かったのでプロ担当が必死に断っていた記憶があります。珍しい光景ですよね。センターシャフトに脚光を浴びさせたのもＰＲＧＲだし、それをずっと作り続けているのも凄いですね。ＰＲＧＲのクラブは次何がでるのか、いつも楽しみです。
※本インタビューは２０２１年１０月に実施したものです
小倉勇人 / OGURA Hayato
１９７８年生まれ 東京都出身
前職が某有名ゴルフ誌の編集者であり、現在はゴルフ雑誌やＷＥＢを中心に編集・執筆活動を行いながら、クラフトマン、クラブフィッターとして悩めるゴルファーを救っている。好きなクラブはパター。愛称は「オグさん」。ゴルフフィールズユニオン店の店長を務める。
