有識者に聞いた。あなたの、あなただけのドライバーえらび
足りない出力を補うために。
ゴルフライター 田島基晴
ゴルフクラブに造詣の深いライターに自身のドライバーの飛ばし方、こだわりのドライバー選びをインタビュー。30年におよぶPRGR愛も語っていただきました。
Q. あなたが選ぶドライバーの飛ばし方は?
(田島)とにかく自分はヘッドスピードが無いんです。だから一生懸命振ったり飛ばそうとしたり、無理することは諦めました。だからRSのような“低スピン弾道で叩いて飛ばす”という考えは無いですね。低スピン弾道は球が浮かないしチーピンになるし、自分にとっては危険球です。飛ばすために長尺ドライバーも試しました。長尺は一発の飛びは魅力だけど、平均飛距離は一緒だったかな。
結局、いまの自分のヘッドスピードに合った最適な打ち出し角度、スピン量を知り、足りない出力を補うような飛ばし方を常に考えています。そういう意味ではLSドライバーのコンセプトはまさにドンピシャ。
あと大切なのはパワーをロスしない“スクエアインパクト”。少ないヘッドスピードを大事に使いたいじゃないですか。egg44ドライバーももちろん試打しました。安定性、方向性が抜群でした。
ミート率を高め、適正スピンで飛ばす。自分が目指す飛ばし方は、LSとegg44を合わせたような感じ。理想弾道とミート率。欲張りすぎかなあ。でもあれもこれも欲張りたいのがゴルフの楽しみじゃないですか。
Q. あなたがドライバー選びで重要視するものは?
(田島)先ほど述べたように最適な打ち出し角、適正スピン、そしてスクエアインパクトを実現できるドライバーですね。打感と音なんてあれば良いと思っています。でもカーボンコンポジットドライバーに慣れたら、LSドライバーやegg44ドライバーのフルチタンヘッドの打球音がやけに心地良くて、、、やっぱり音は良いほうがいい!と思い始めました。
あとはフェースの見え方、顔ですね。これは外国ブランドのクラブとかはやっぱり構えやすいし人気なのもよくわかります。最後にもうひとつ。自分は中古クラブが大好きで中古ショップの運営もやってきた人間なので、リセールバリューもドライバー選びの需要なファクターのひとつです。手放す時に高く売れるクラブっていうのはやはり需要があるのだから良いクラブなんですよ。
Q. あなたの記憶に残るPRGRクラブは?
(田島)ゴルフを始めて間もない頃、ゴルフ専門誌でPRGRのクラブ開発の特集記事を読んで興味を持ち、デパートにINTEST(インテスト/1988年)を買いに行ったのが最初ですね。当時のゴルフクラブの常識を覆すような形状のレンガ色のカーボンヘッドのロングアイアン。それがもの凄く飛ぶし、使いやすくて長い間重宝しました。その後もPRGRは常にチェックしてて、DATA601アイアン(1994年)は確か3セット買いましたよ。いつも間にかキャディバッグも含めて全部PRGRになっちゃって。ある年、ハワイにゴルフ旅行に行ったのがちょうどPRGR契約だった外国人選手が全英オープンで2位になった時だったので、現地のゴルファーが“PRGRって何だ!?”って群がってきて大変でした。ちゃんと“ジャパニーズ ナンバーワン、ゴルフブランドだ!”って説明しておきましたよ(笑)。
PRGRは個性の強いクラブを作るメーカーですね。ZOOM f.なんかはバカ飛びとチョロが50%の確率で出ました。でもニッチなゴルファーの悩みを吸い上げて商品開発している姿というのが、今も30年前のゴルフ雑誌の記事と変わっていなくて嬉しいです。あ、Qはいまも相変わらず活躍してますよ。
※本インタビューは2021年10月に実施したものです
田島基晴 / TAJIMA Motoharu
1963年生まれ 広島県出身
中古ショップ運営会社でゴルフ部門の店舗運営責任者を務め、2008年からマーク金井氏の主宰するゴルフスタジオ「アナライズ」に参加。現在はフリーとなり、ライターだけでなく動画プロデュースもこなす。ゴルフの様々な情報を配信するnote「T島ゴルフ総合研究所」がコアゴルファーに人気。最新クラブのスペックから歴史的名器まで造詣が深いゴルフライター。