第17話 『ギリギリ新シリーズ、LS誕生!』LSドライバー開発編⑤

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PRGRクラブにまつわる過去や、新製品開発に奮闘するスタッフの現在、そして新しいクラブを世の中に生み出す未来を紹介していくノンフィクション、PRGRクラブ開発物語、通称ギアスト!多くのアマチュアゴルファーの悩みを解消すべく、創業以来研究開発を続けてきたプロギア。

ヘッドスピード40m/sの平均的なパワーレベルの日本のゴルファーに、最大飛距離をもたらす新しいドライバー作りをおこなうPRGR開発チーム。より打ち出しを上げ、スピンを減らすことのできるドライバーがようやく形になってきました。

さあ、完成まであと一息。発表はもうすぐ目前です。

 

地下室ソールの進化

ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーにとって理想的な弾道を生み出すためにPRGR開発チームが生み出したソール設計。通称”地下室ソール”!

しかし、

 

企画チーム 『さすがに”地下室ソール”では格好がつかないなあ・・・』

 

ということで、

【Basement(地下) Sole】という名称に変更しサンプルヘッド製作を続けます。

ただし深・低重心を達成するためのソールのふくらみはアドレスでの座りが悪く、テスターの評価はいまいち。そこで地面との接触箇所に削りを入れるなど、細かい修正を続けます。

こうしてようやく最終ヘッドが完成しました。

ちなみにヘッドのフェース角の設計値は±0度。でもフェース角±0度だと構え方によってはヘッドが被って(左を向いて)感じられるので、ソールの形状を工夫。

アドレスすると目標に対してスクエアに構えられ、アマチュアテスターの皆さんからも高い評価を得ることができました。

そしてそのソールには、

【Basement Sole】あらため、【DEEP BACK SOLE DESIGN】という文字が。

重心位置を深く、後ろに移動させるソールデザイン。これがヘッドスピード40m/s前後のゴルファーに”理想弾道”を生み出します。

 

企画スタッフ 『”ディープ・バック・ソール・デザイン”って長いから、”D.B.(ディー・ビー)ソール”と呼ぶことにします。D.B.ソールで、ぶっ飛ばすんです。

 

キャリアゴルファーにLaunch&Spinを

続いて開発スタッフが作り上げた最終サンプルを、アマチュアゴルファーの皆さんに試してもらいます。

某ゴルフ場

ゴルフキャリア(経験)が豊富なゴルファーの皆さん。最近ヘッドスピードが落ちてきたけど、もっと飛ばしたいし、ベストスコアも更新したい。という意欲の高い方々ばかりです。

CNCミルド加工が施されたフェースは、スピンを安定させて伸びのある弾道を生み出します。

※ボールをしっかりキャッチしてスピンを安定させるCNCミルド加工

ゴルフに深いこだわりを持つキャリアゴルファーの皆さんの第一印象は、

 

キャリアゴルファー 『上品でかっこいいね、強い球が打てそうだ。』

 

そして、

パキィィーーン!

キャリアゴルファー 『うぉ、球高い!おっ池越えたぞー!!』

 

さらに、

カキーン

女性ゴルファー 『あははっ!気持ち良いっ。』

 

女性ゴルファーとキャリアゴルファーの評価は上々。狙っていた性能とフィーリングを達成し、いよいよ商品化に向けて最終段階に来ました。

続いては。

都内某練習場

この日は営業部門のマネージャーへの新商品試打の日。

営業というのは開発部門に今のトレンドに合った商品を求めるが、開発は数年後の需要を作るために製品開発をしています。営業は売れる商品を求めるし、開発は売れるものだけでは無くて精魂込めて作った全ての製品をしっかり売り切ることを営業に求めます。

どこの会社でも開発部門と営業部門は相容れないもの。そんな水と油の両者のプライドを賭けた真剣勝負とも言うべき試打テストをおこないます。

真剣に打ち続ける営業。すると、、、プロギアの営業部門のトップがぽつりとつぶやきます。

 

販売本部長 『これ!これだ。こういうクラブが欲しかったんだよ。これでもっとゴルフが楽しめそうだ。』

完全に自分目線になっていますが、球があがらず、ゴルフ場で思ったよりドライバーの飛距離が伸びなくて苦労していたキャリアゴルファーである販売本部長の心を大きく揺さぶることができました。

■販売本部長の心を揺さぶった理由はこちら(サイエンスフィット日記へ)

営業部も新しいドライバーを大絶賛、自信を持って全国のゴルフショップへの商談を開始しました。

 

R&Aからの通達

さあ、いよいよNEWモデル発表に向けたカウントダウンが始まりました。

が、その前に、絶対に乗り越えないといけない壁があります。

横浜ゴム平塚製造所 PRGR事業所

ここで、開発チーム全員が海外からの”ある通達”を待っています。そして、

 

開発スタッフ 『おい!載ったぞ!!合格だー!!!』

 

開発チーム 『うおおおおおーっ!やったー!!』

 

大の大人が何を熱狂しているのでしょう。その答えがこちら。

R&Aの適合ドライバーリストへの掲載でした。

 

2016年、RS Fドライバーで反発ルールを越えるものが市場へ混入し、適合ドライバーリストから除外されるという事件が発生。

開発チームはすぐさま徹底的に原因究明をおこない、そしてわずか数ヶ月でルール適合の代替ヘッドを完成させ、半年後にはNEWモデルの発売に漕ぎ着けるという離れ業をやってのけました。

その一件以来、世界のゴルフルールを統括するR&Aルールズリミテッドとは今まで以上に綿密な情報交換を行って、より良好な関係を築き、PRGR開発チームはさらなるギリギリに向けた技術力をアップさせてきたのです。

その技術力を結集させたギリギリ新ドライバーは、

圧倒的な飛距離性能を有しながら、見事ルール適合の判定を勝ち得たのでした。

 

ギリギリ新シリーズ、LS発表!

こうして2021年5月31日、ギリギリの新シリーズが遂に世の中に発表されました。新しいドライバー名は、LS(エルエス)。

ヘッドスピード40m/sのゴルファーが、ルールギリギリの初速に高打ち出し(Highaunch)、低スピン(Low pin)の理想弾道を加えて、キャリーを10ヤード伸ばせるドライバーです。

■LSシリーズについて詳しくはこちら

バンカー、池、木、斜面などがレイアウトされたゴルフ場では、トータル飛距離よりもキャリーでの飛距離が非常に重要です。キャリーを伸ばし、経験豊富なキャリアゴルファーのゴルフをよりシンプルに、レベルアップさせるのがLSドライバーです。

コロナ禍で非常に困難な状況下においても、粘り強く取り組んだ開発チームもLSの完成に大喜び。

ぜひ、その性能をPRGR試打会、レンタルサービス(6/10受付開始予定)、ゴルフショップ店頭(試打クラブ6/11設置予定)でご確認くださいませ。

 

なおLSシリーズはドライバーだけではありません。次回からは、ドライバー以外のアイテムの開発秘話を紹介させていただきます。

 

つづく

 

*記事中の写真は一部イメージです

コメント

  1. K島 より:

    開発編①でワンレングスアイアンを懇願したK島です!
    05アイアン! 2レングスではないですか‼️
    感動しました〜
    絶対買います〜 あっ! ライ角いじれますか?

    1. prgr より:

      K島さん
      コメントありがとうございます!ご希望に添えて何よりです!!1レングスだとどうしても難しい課題があったので、ミドル・ショート・ウェッジをそれぞれ同じ長さにする新コンセプトアイアンとなっております(軟鉄鍛造なのでライ角調整可能です)。ここらへんの詳細は、アイアン開発編でじっくりお伝えしたいと思います(^_^)

  2. カズさん より:

    誕生、おめでとうございます。

    1. prgr より:

      カズさんさん
      コメントありがとうございます!無事、生まれましたー!これからじっくりと、手塩にかけて育てていきたいと思います(^_^)

  3. ヤジキン より:

    後方ウェイトって、前の前の
    レッドドライバーと同じ発想?
    レッドの後継として考えて良いんですかね?
    レッドにミルド加工フェイスとWクラウンカップフェイスを足した!って感じてか?
    バコシーが付かなかったのは残念なポイントですが、
    試打会が近くて有るようなんで、打つの楽しみにしてます。

    1. prgr より:

      ヤジキンさん
      コメントありがとうございます!従来の設計ではウェイトをヘッドの中に入れていましたが、それだと重心が高くなってしまうので今回のLSはソールの下にさらに地下室のようにウェイトをつけることによって、さらなる高打ち出しだけでなく低スピン化も実現しているところが新しいポイントです!バコシーをつけるとどうしてもシャフト差込穴付近に重量が集中してしまうので、最適重心を得るためにクラウン部をカーボンにするなどの工夫が必要となります(その場合、音が犠牲になりますね)。レッドは【軽量・長尺】でヘッドスピードをアップさせて飛ばす、LSは【高打ち出し低スピン】の理想弾道で飛ばすというコンセプトですので、ぜひ試打会等でその性能をご確認くださいませ(^_^)

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